02:■日本経済新聞(33頁)2004年7月7日(水曜日)に掲載

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川口金属工業 制震・免震事業に参入 学校補強など収益源に


nikkei040707.jpg 橋りょう部品最大手の川口金属工業は、建築物の地震対策として制震・免震構造の設計や装置販売を行う新会社、川口テクノソリューション(埼玉県川口市)を設立した。自社技術を活用して制震・免震ビジネスに進出、新たな収益源に育てる方針だ。鋳物や鋼材・加工品メーカーが集積している川口市で、独自技術を活かした多角化に乗り出す。
 川口テクノソリューションは資本金九千万円で、川口金属工業が五千万円、同社の子会社の光陽精機が四千万円を出資、このほど設立した。既存建物に設置する「アドバンス制震システム」と、新築建物の基礎免震に使う「多段型摩擦ダンパー」を建設会社などに売り込む。専門のエンジニア十人を配置し、地方自治体や企業、設計事務所向けに耐震設計、耐震診断も手がけていく。
 アドバンス制震システムは建物の柱・梁(はり)の骨組みにオイルダンパーを使った制震装置を設置し、地震などによる揺れを低減し建物の安全性・居住性を高める。従来の制震システムに比べ建物の変位を二~三倍に増幅でき、オイルダンパーで揺れを効率的に吸収できるという。ダンパーの構造など周辺技術について特許を出願した。
 多段型摩擦ダンパーは上部構造物に取り付けられたアームを上下の加圧板ではさみ、皿ばねを用いたボトルを取り付けることにより、摩擦力を利用して免震効果を生じさせる。両装置ともに、振動をうまくコントロールしなくてはならない橋りょう部品で蓄積した技術を生かして開発した。
 新会社はまず学校や商業ビルのリニューアルなど耐震補強事業を手がけ、新築の免震建物にも参入していく。四年後には年二十億円の売り上げをめざす。各地域の防災拠点に指定されている小中学校でも、建物の本格的な地震対策はこれからのところが多く、需要は大きいとみている。