05:■日本経済新聞(35頁)2005年5月20日(金曜日)に掲載

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制震システム拡販 川口金属工業 首都圏の学校・オフィス向け 今期100基受注目標


nikkei050520.jpg 鋼材や鋳造品製造の川口金属工業は、地震による建物の揺れを減らす制震装置を拡販する。在来の耐震補強工事より作業期間が短縮できる特徴をアピール。首都圏を中心に学校やオフィスビル、集合住宅向けに売り込む。初年度の二〇〇五年三月期に二十四基だった受注数を今期は百基、〇七年三月期は三百基に引き上げたい考えだ。

「アドバンス制震システム」は子会社の川口テクノソリューション(川口市)が設計し、川口金属工業が製造する。第一号案件として、建設業の東鉄工業が保有する東京都新宿区のビルに三月、二十四基が完成した。
 一九八一年の建築基準法の新耐震基準実施以前に建てられた建物が主な対象。安全性を売り物にしたいビルオーナーや、地震による学校の被害を防ぎたい自治体などに設置を提案する。受注数は「受注間近の案件を合わせると、五月時点で百基近い」(川口テクノソリューション)ため、〇六年三月期の目標値を上回る可能性が高いという。
 同システムは一基につき二本の鋼管と一本のダンパーから成り、柱やはりに囲まれた部分に組み込む。地震や強風による振動をダンパーが効率よく吸収し、建物の損傷や家具の転倒を抑制する効果があるとしている。
 価格は二十基以上の受注の場合で、一枠一基タイプが三百万円程度(税別、工事費別)。一枠二基タイプもある。
 鉄骨を柱やはりに囲まれた部分に組み込む在来の耐震補強に比べ、設置数を減らせるため「耐震補強なら二年がかりの工事が一年で終わるケースがある」(同)。単価は高いものの設置数や工事期間を少なくできることから、全体の費用は同等か安くなるという。
 川口金属工業は蓄積した金属加工技術を活用できる事業として、収益の柱に育てたい考え。