07:■鉄構技術2005年11月号(24頁)に掲載

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川口テクノソリューション 制震システムが学校向け耐震補強で急増 今期200基、06年度400基見込む


media_200511.jpg 耐震補強装置メーカー、川口テクノソリューション(本社・川口市)が開発した「アドバンス制震システム」の採用が増えている。今春、事務所ビルで初施工以来、公共施設を中心に採用が相次ぎ、新築建物への採用も決まった。今年度は発売初年度の05年3月期に24基だった受注数を6棟200基に、06年度は400基に引き上げる考えだ。
 川口テクノソリューションは鋼材・鋳造品メーカー、川口金属工業の100%子会社で、昨年5月に設立した。アドバンス制震システムは、機械分野で広く利用されている変位・速度増幅機構を応用して地震や強風による建物の変形や加速度を効率よく軽減する制震装置で、1基につき2本の鋼管と1本のオイルダンパーで構成している。この装置を建物の柱・梁の骨組内に設置することにより、地震などによる建物の揺れを軽減し、建物の安全性・居住性を高めることができる。今年1月には指定性能評価機関、ベターリビング(BL)の一般評定(CBLID001-04号)を取得している。
 初採用されたのは東京・新宿区の事務所ビル、東鉄工業第一ビル(RC造、地下1階、地上7階、延床面積約3,000m2)約30年前に完成したビルの耐震性能を高めるため、今年3月に1枠2基タイプの「アドバンス制震システムを12枠24基設置した。以降、採用が相次ぎ、埼玉・熊本県の公立小中学校2件(1枠1基タイプ計24基)と東京の私立大学1件(71枠91基)で施工している。近く国立大学にも14枠28基を設置する予定。制震ダンパーとして新築建物へ採用して安全性を高める引き合い件数も増え、すでに川口市内の新築寺院への採用も決まり、来年施工する。新築建物には初採用となる。
 アドバンス制震システムは81年の建築基準法の新耐震基準実施以前に建てられた建物が主な対象だが、受注数が『受注間近を含めるとかなりの数』(同社)のため、当初予定の100基を6棟200基に上方修正し、売上高も5億円を見込んでいる。現在、「解析を実施している建物の数も多い」ため、06年度は当初見込みの300基から対前期比倍増の400基10億円に引き上げる考えだ。
 同システムの価格は20基以上の受注で1枠1基タイプが約300万円(税別、工事費別)と従来の耐震補強法に比べて割高だが、『従来工法に比べて設置数が減らせ、工事期間も約半分で済み、トータルコストが同等以下となる。外観の美しさも評価されている』という。今後は学校、公共施設を管理する自治体、事務所ビル、新築ビルへの設置提案をさらに強化する。