11:■日本経済新聞 2006年7月7日(金曜日)に掲載

【記事全文】

地震の衝撃摩擦力で抑制 吸収装置、低コストで 川口金属工業、新システム開発


media060707.jpg 橋梁(きょうりょう)部品最大手の川口金属工業は地震の時に建物の揺れを抑える制震システムで、摩擦ダンパーを使う新システムを開発した。ブレーキのように摩擦力で揺れの衝撃を抑える仕組みで、従来のオイルダンパーより導入コストを下げられる。高所や人が入りにくい場所にも設置しやすい。建物特性に合わせ提案営業を展開する。
 「アドバンス制震システム」は川口金属が製造し、子会社の川口テクノソリューション(川口市)が設計した。ダンパーという衝撃吸収装置を組み込み、地震のエネルギーによる建物への損傷を抑える。従来の耐震補強工法に比べ設置数が少なく、短期間で施工可能という。
 衝撃吸収する基幹装置にステンレスの板による摩擦ダンパーを使う新システムは複雑な機構がない。その分、コストをオイルダンパーを使うシステムに比べ15%ほど安くでき、全長を短くできる。様々な場所に設置しやすい。財団法人ベターリビングから一般評定を取得した。従来システムに比べ、地震エネルギーの吸収効率は少し落ちるが、オイル漏れを防ぐための保守点検などが不要になる。
 ダンパーなどの接合部のボルトが枠外に出てこない新型ジョイントも開発。制震システムに導入し、改良を加えていく。
 今後は、中小の地場ゼネコンと連携し、制震システムを全国展開していく方針だ。川口金属では2007年3月期中に300基を納入、同事業で約7億円の売り上げを見込む。さらに08年3月期には納入件数400基に引き上げ、売り上げで約8億円を目指す。
(写真:新開発の摩擦ダンパーは様々な場所に設置しやすい(分解した様子))