12:■建築技術 2006年8月号25頁に掲載

【記事全文】

増幅機構を用いた制震装置が摩擦ダンパーで一般評定取得


kenchikugijutsu2006_08_1.jpg 川口テクノソリューションが設計・販売する「アドバンス制震システム」は、開発中であった摩擦ダンパーについて、ベターリビングより“建物に所定の減衰性能を付与できるものである”ことを証明する一般評定(CBLID001-06号)を2006年6月1日に取得した。摩擦ダンパーは、従来のオイルダンパーよりエネルギーの吸収効率は若干劣るものの、完全なメンテナンスフリーと低コストを実現している。また、全長を短くできることから、マンサード型設置が容易となる特徴がある。




オイルダンパーと摩擦ダンパーの2種類の一般評定取得


kenchikugijutsu2006_08_2.jpg 「アドバンス制震システム」は、2005年1月11日にオイルダンパーを用いたシステムで、すでに一般評定(CBLID001-04号)を取得済みで、今回の摩擦ダンパーにより2度目の一般評定取得となる。
 同制震システムは、建物の層間変位を2~3倍に増幅してダンパーに伝えることによって、振動エネルギーを効率よく吸収できるシステムであり、地震時の建物変形量が比較的小さい低層鉄筋コンクリート造の耐震補強から、新築高層建物の地震時・強風時の耐震安全性・居住性改善まで、さまざまな建物に適用できる。また、従来工法と比べ設置数の低減が可能なため、施工期間の短縮・コストの低減を実現できるという特徴をもつ。
 スマートですっきりしたデザインも同システムの特徴である。ブレース部材には、威圧感を与えない細目の鋼管を使用し、耐震補強用の周辺枠には、溶接性に優れた鋳鋼を取り入れ、デザイン性に優れた枠金物を用いている。必要な階に必要な数だけ設置することができ、従来工法のように連層に配置する必要がなく、設計の自由度も増える。オイルダンパーの採用実績は、東鉄工業第一ビル、青木中学校、武蔵ヶ丘小学校、K大学、埼玉大学などであり、順調に実績を伸ばしている。
 同社では、新たに一般評定を取得した摩擦ダンパーについても、メンテナンス性やコストメリットなどの利点を活かして、積極的に展開を図る方針である。また、摩擦ダンパーの開発に加え、接合部のボルトが枠外に出てこない新型ジョイントについても、開発を進めており、近く商品化の予定である。同社では、今後もアドバンス制震システム関連製品の拡充を進め、社会的に関心の高まっている建築物の耐震化に貢献していく考えである。
(写真上:アドバンス制震システム設置状況(埼玉大学)、写真左下:摩擦ダンパー、写真右下:摩擦ダンパーの試験状況)