16:■建築技術 2009年6月号63頁に掲載

【記事全文】

■ピン接合で長さ調整可能な耐震補強用鋼管ブレースを開発


kenchikugijutsu_200906.jpgkenchikugijutsu_200906_2.jpg 川金テクノソリューション(旧社名:川口テクノソリューション)は、鋼管ブレースによる耐震補強工法「ADブレース」を開発した。これは、同社の主力商品であるアドバンス制震装置の技術を応用して開発されたもので、ベターリビングの一般評定(CBL SS003-08号)を取得している。
 ADブレースは、両端をピン接合にした耐震補強用の鋼管ブレースである。ターンバックル機構の採用で、長さの微調整が可能。取り付けなどの施工性に優れている。
 主な特徴は次のとおり。(1)3種類のクレビス(鋼管径φ146.0、φ190.7、φ244.5)と3種類の鋼管(材質STK400、STKN400B、STKM13A)の組み合わせによって、建物ごとに最適なブレースを選択することができる。(2)H形鋼を用いた従来のブレースに比べ、鋭角部やボルトの露出が少ないため、安全性が高い。(3)主要部材が鋼管のため、威圧感が少なく意匠性がよい。
(4)ターンバックル機構により、ピン間距離を±20mmの範囲で調整できるので、施工性がよい。(5)クレビスにはJIS規格品の鋳鋼を採用しており、ピン(SCM435)は国土交通省の認定を取得。

■顧客のニーズを製品開発に積極活用

 一方で、耐震補強工事の施工を簡便化する「ダブジョイント」(CBL SS001-07号)との組み合わせが可能であり、フレキシビリティを持つ。ダブジョイントは、アドバンス制震装置で得られた多様な耐震補強ニーズをもとに開発されたものである。耐震補強などに採用する鉄骨枠の接合部に凹型・凸型の鋳鋼部品を用いて、それらを嵌め合い、高力ボルトで締め付けて固定する。従来の高力ボルト接合に比べ、フラットな接合面が得られるのが特徴。安全性も高く、意匠性にも優れている。また、作業内容が簡素化されるので、工期の短縮も実現される。耐震補強では、鉄骨部分が露出されるので、フラットな接合部の外観や補強後のデザイン性のよさは、幅広い用途の建築において評価が高い。他の補強工法との組み合わせも可能である。
 なお、先に開発されたアドバンス制震装置(CBL ID002-08号)でも、ダンパーを短くできるトラニオン型ダンパーを新たに開発し、耐震補強後に広い開口部を設けられるマンサードタイプへの対応が容易となった。
 川金テクノソリューションは多様な要望に応えるため、アドバンス・シリーズの開発・拡充を図り、多彩なシステムバリエーションを実現している。