18:■日刊建設産業新聞 2011年2月25日(金曜日)に掲載

【記事全文】

埼玉県庁第二庁舎に初適用
鋼管コッター+アドバンス制震システム 新耐震工法として積極展開 戸田建設


KK03.png  戸田建設は、開発済みの鋼管コッター工法と川金テクノソリューション(鈴木信吉社長)が開発したアドバンス制震システムとを組み合わせた新工怯を、埼玉県庁第二庁舎の耐震補強工事に初適用した。

 同工事では当初、基本設計段階における耐震補強方法に、アドバンス制震システムを補強部材として建物外部に配置することが決定しており、建物と耐震ブレースの接合部は接着工法で設計されていた。一方、現建物で庁舎の執務を継続しながら施工する計画であることから、接合部の施工には既存躯体の不陸調整が必要であり、騒音・振動・粉塵の発生が懸念されていた。

 これを受けた実施設計段階で戸田建設が開発した低騒音・低振動・少粉塵で施工可能な鋼管コッター工法を採用、アドバンス制震システムと租み合わせた新工法で施工することとなった。

 さらに、県庁舎は防災上の重要拠点施設との位置付けから、構造耐震判定指標(Is値=建物の耐震性能を表す指標。0.3、0.6をしきい値に値が大きければ耐震性が高いと判断)を0.75以上と通常より高い設定での耐震補強工事を行った。

 今回、建物を使用しながら低騒音・低振動・少粉塵での接合部の施工が可能な上、工期短縮も図られる優れた工法であることが実証できたことから、今後、靭性が高い4階建て以上の建物については、鋼管コッターを使用したアドバンス制震システムによる耐震補強工法を積極的に提案していく。

 鋼管コッタ一工法(商標登録・登録第5050007号)は、耐震補強において、既存柱・梁との接合材にはつりこみコッターのせん断力伝達機構を改良・開発した構造用鋼管を使用する。既存躯体へ埋め込みは30ミリと短く、低騒音、低振動、少粉塵かつ短工期を実現する。03年9月に日本建築総合試験所から建築技術性能証明(GBRC性能証明・第03-04号)を取得している。

 一方、アドバンス制震システムは、ブレース形状の増幅機構付き装置。
2本のブレース部材と1本のオイルダンパー部材で構成され、建物が地震等で変形すると、増幅機構によって建物の層間変形よりも大きな変位量と速度をオイルダンパーに作用させ、振動エネルギーを効率よく吸収し建物の減衰性能を向上させる。09年1月にべターリビングから鋼管コッターによる接合方法の追加評定(CBL ID002-08号)を取得している。

 工事場所は、埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目13番、14番の一部および15番。構造・規模は、SRC造(一部RC造)、地下2階地上10階塔屋2階建て、延床面積3万3514平方メートル。Ⅹ方向=構面内制震ブレース74か所・Y方向=構面外制震ブレース80か所の補強を行っている。久米設計が基本設計と工事監理を、戸田建設関東支店が実施設計と施工を担当。エ期は11年3月11日まで。