19:■日刊建設工業新聞 2011年2月25日(金曜日)に掲載

【記事全文】

埼玉県庁第二庁舎 執務防げず耐震補強 制震装置+鋼管コッター 戸田建設


KK04.png 戸田建設は、さいたま市浦和区で施工中の「埼玉県庁舎ほか耐震補強工事」に、アドバンス制震システムと鋼管コッター工法を組み合わせた新しい耐震補強工法を適用した。新工法を採用したのは埼玉県庁の第二庁舎。執務を続けながら低騒音・低振動・小粉じんで耐震補強の施工を進めた。今後、靱性が高い4階建て以上の建築物を対象に、新工法の採用を積極的に働き掛けていく。

 新工法は、免震・制震補強技術の開発や施工を手掛ける川金テクノソリューション(埼玉県川口市、鈴木信吉社長)が開発した「アドバンス制震システム」と、戸田建設が実用化した「鋼管コッター工法」を組み合わせたもの。2本のオイルダンパーと1本のブレ−ス、鉄骨枠で構成する制震装置と構造躯体を接合する際、あと施工アンカ−の替わりに鋼管コッターを用いる。

 制震装置による振動の減衰性能に鋼管コッターの変形吸収力が加わることで、既存建築物の耐震性能を大幅に高めることが可能になる。第二庁舎の耐震補強工事では、制震装置と構造躯体の接合に接着方式が計画されていた。執務を続けながら工事を行うことが求められていたため、既存躯体の不陸調整が不要で施工中の騒音や振動、粉じんが少ない鋼管コッター工法を採用することになった。

 埼玉県庁第二庁舎は、SRC一部RC造地下2階地上10階建て延べ3万3514平方メートルの規模。耐震補強工事では、Ⅹ軸方向に構面内制震ブレースを74カ所、Y軸方向に構面外制震ブレースを80カ所それぞれ設置。建築物耐震改修促進法に基づく構造耐震判定指標(Is値)は0.75と通常より高い値に設定した。

 埼玉県庁舎ほか耐震補強工事は基本設計を久米設計、実施設計を戸田建設関東支店、工事監理を久米設計が担当。全体工期は09年3月30日〜11年3月11日、第二庁舎の施工期間は09年10月1日〜11年3月11日となっており、戸田建設関東支店が施工している。

 戸田建設は、今回の工事を通じ開発した新工法の優れた耐震性能や施工性が実証できたとしており、発注者に対する提案活動を積極的に展開する方針。鋼管コッターを用いたアドバンス制震システムによる耐震補強工法は、1月17日付でべ夕ーリビングから評定を取得している。